INFORMATION

2017.05.26 Fri

FUKUOKA DRONE CREATIVE AWARD 大賞およびファイナリスト発表

ドローンで空撮した福岡の魅力あふれる映像を応募いただくFUKUOKA DRONE CREATIVE AWARD!
応募総数49件から選ばれたファイナリスト6作品について,平成29年5月23日にFUKUOKA growth next(旧大名小学校)にて開催したイベント「Global Startup Drone MeetFes」内で公開審査を行い,髙島市長から大賞を授与いたしました。

ファイナリスト作品は下記リンクからご覧いただけます。
※応募されたすべての作品はFBページDrone Shotsにて順次公開いたします。
https://www.facebook.com/Drone-Shots-694023440784991/?fref=nf&pnref=story

【カテゴリーA:能古島】
大賞“福岡市長賞”
作品名:Nokonoshima through sky eye
制作者:福山剣介 
https://youtu.be/ffM9RYg51KI

<制作者コメント>
能古島の美しさや雄大さを表現するため、ただドローンを飛ばすのではなく、空撮と地上撮影を上手く組み合わせ、美しくも異次元な演出を意識しました。
綺麗な音楽とテンポに合わせたカットで、自然にもう一度見たくなるような映像を目指して制作しています。
今、ドローンを使えば誰でも空からの綺麗な景色を撮ることができます。
しかしそこから一歩踏み込み、ドローンはあくまで表現方法の1つと捉え、それをどう活かすのか考えることで、まだまだ無限の可能性があると感じます。
本作もその1つの例として見て頂ければ幸いです。

<審査員コメント>
◇Ms.Gosia Petaux
It’s really pretty and dynamic at the same time. The drone highlights the scenery of the island. We can especially appreciate the use of the drone which allows to show the expanses of flowery landscapes that cover the island. Very pleasant to watch.

◇山口千貴・真里子夫妻
テンポの良い曲に合わせて、目のどアップという全く予想外の出だしから始まることにより、次は何がくるのか最後までワクワクしながら見る事ができました。地上の高さから上空に上がっていく過程を捉えた、ドローンならではのカットも複数あって良かったです。全体的に緩急ある映像を使い分けることによって、のどかなイメージの能古島がとてもかっこよく、ダイナミックに仕上がっていました。

◇西谷郁氏
能古島の美しい空からの風景がワンカットずつ丁寧にとらえられています。寄りから引きのスピードが早く、フィックスの人についての描写が少ないので浮遊感があり、どの島か?と分かりづらくなったと感じました。どの空から見たら能古島が一番素敵に見えるか?より絞るとよりよくなると思いました。

ファイナリスト
作品名:風たちの唄(かぜたちのうた) NOKO BEAUTIFUL ISLAND
制作者:田中一成
https://youtu.be/5qRDctxP4zk

<制作者コメント>
能古島は、子供の笑顔、夫婦の笑顔、家族の笑顔、島の人々の笑顔が絶えず、美と彩と四季の風が香る場所です。
能古島に 舞う風たちが、訪れた人々を包み込み笑顔にしてゆき、目には見えない風たちの唄声と、人々の笑顔、美しき能古島の風景を映像で表現し、タイトルを『風たちの唄』にしました。
BGMは、日本ならではの和曲を選曲しました。このBGMを選曲した理由は、各県から大勢の人々が参加する、福岡の秋の代表的な祭り『ふくこいアジア祭』のイメージでありまして、福岡の活気さと、踊り歌い芸術を舞う人々の『想いを繋ぐ』という思いで選曲しました。
映像の終盤は、故郷福岡の夕陽を、どこまでも追いかけてゆくイメージで撮影しました。

<審査員コメント>
◇Ms.Gosia Petaux
It’s nice and dynamic. The use of the drone is appropriate. The colors are beautiful and the film is very pleasant to watch. It encourages to visit this beautiful island and spend one day for enjoying the very romantic sunset.

◇山口千貴・真里子夫妻
テーマに沿った音楽が、島らしい世界観をかっこよく表現されてました。様々な時間帯で撮られた画がたくさんあり、また、ただ大自然だけではなく、そこで行えるアクティビティや文化といった様々な切り口から、バランスよく能古島を紹介しているのが良かったです。時折、補助的に文字を使い、映像に重ねることにより、映像では伝えきれなかった能古島の魅力を説明しているのもわかりやすかったです。

◇西谷郁氏
ドローンだけでなくフィックスショットもうまく取り入れ編集されているので、見る人の既視感や記憶を引き出す工夫がされています。ロケ地が盛りだくさんなのでロケ地を絞って編集すると、短い作品の時間の中でより効果的にドローン映像の魅力を発揮しうると思います。
タイトルの「風」を表現するために、木々のざわめきや港の風など、能古島にしかない特別な情景や人々を描いてほしいです。

作品名:Touring in Noco
制作者:馬場修平
https://vimeo.com/216600638/6dc16e6001

<制作者コメント>
昔、Vespa(ベスパ)という小排気量のバイクで能古島を巡った感覚を思い出しながら優しく流れる時間と能古島ならではの雰囲気を表現しました。

<審査員コメント>
◇Ms.Gosia Petaux
As a memorabilia film featuring the good times spent with the family, the film reveals Noko Island’s romantic atmosphere through its green and flowery landscapes. The film invites the viewer to discover the island thanks to a subtle mix of images filmed with fluidity by the drone and plans to the ground that bring a gentle atmosphere. It is a beautiful invitation to serenity that prompts us to embark for Fukuoka Noko Island.

◇山口千貴・真里子夫妻
旅行者の視点で描かれている作品で、とても入り込みやすかったです。ちゃんとしたストーリーの軸があり、実際に能古島へ行ってきたような気分になれました。素朴な風景と優しい音楽のテンポがよく合っていて、能古島の穏やかな自然とゆっくりした時間の流れを感じることができました。船内放送の音を録って音楽に重ねたり、光の反射を使ったトランジションなど、細かい編集のこだわりも垣間見れました。

◇西谷郁氏
能古島の観光スポットがあますことなく撮影されています。特に南部のロケ地が福岡市内との近さが表現できていいと思います。さらに、渡船場など、能古島へはどう行けばいいのか?島民と観光客との交流や出会い、島民の生活が伝わる映像があるともっと魅力が引き出されると思います。企画と立案、1日の旅という流れというストーリーが明瞭です。能古島と福岡との距離を表すロケ地の選択が成功していると思います。

【カテゴリーB:福岡市内】
大賞
作品名:Hidden Paradise Fukuoka
制作者:Nigel Paquin
https://youtu.be/5qMtOu2x_Hc

<制作者コメント>
I wanted to show Fukuoka from a different perspective because it’s not all about the main city but the hidden gems. I started creating the video from 3 areas, first the lovely mountains, rivers, rice fields, river and in the end we fly to the ocean. Also it’s very important to edit to the beat of the music which makes the content flow better.
福岡と言えばまずは天神や中州を思い浮かべますが、そうではなく隠された宝石(豊かな自然)を映像にしたかったのです。
音楽のビートに合わせて山、田畑、川、海へと流れていくかのように編集しました。

<審査員コメント>
◇Ms.Gosia Petaux
A real video postcard made in 100% drone plans, this film is dynamic and rhythmic and highlights the varied landscapes of the city of Fukuoka and its islands (forests, rivers, beaches, parks …). The drones plans are judiciously used to highlight each decor and its attractions thanks to the use of top shot and tracking shots. It is a modern and well-assembled film.

◇山口千貴・真里子夫妻
福岡の様々な場所の画で構成されていて、見ていてとても楽しかったです。前方方向に進みながら撮るカット、垂直に上昇しながら真下を捉えるカット、引きながら上昇していくカット、そのほかたくさんの種類の角度で撮影されていて、どれもドローンでしか撮れない画ばかりで良かったです。音のビートに合わせて画を細かく切り替えたり、映像に緩急をつけたりと編集の種類も豊富で、最後まで楽しみながら見れました。

◇西谷郁氏
福岡で注目されていない観光地や人気スポットが撮影されていて発想力に優れています。画角や人や船を追い越すドローンならではの迫力ある映像です。ではなぜ作者がその場所に魅了を感じたのか、隠れた場所を見出したのか、なぜ川に行くのか、海で遊ぶのか、釣りをするのか、シナリオに力を入れるといいと思います。日中から夕方にかけてという時間軸のつなぎがスムーズです。もう少し人の表情を挿入するとよりよくなると思います。ドローンならではのカメラアングルがいいと思います。

ファイナリスト
作品名:tree
制作者:ジオダダ 森寛一
https://youtu.be/rB0eMUeNPuE

<制作者コメント>
シンプルかつ空気感を感じさせる事にこだわりました。
撮影当日は風が少し強く、カメラワークも苦労しました。
こんな所が市内にあるんだ!行ってみたい。見てみたい。そう思って頂ければ幸いです。

<審査員コメント>
◇Ms.Gosia Petaux
The idea to shoot this tree “alone in the world” from every angle by the drone is very poetic. The drone is a single tool that allows to approach thus and almost touching lightly the tree. We realize that it is not easy to film with a drone which is a complex tool to use. It is necessary to train to control the circular or lateral shots. Very interesting work.

◇山口千貴・真里子夫妻
他の作品では色々な場面が登場する中、一本の木をテーマにし、最後までぶれずにそれを貫くところがある種の潔さを感じるくらい気持ちよかったです。またそのように場面を絞ることにより、草原の美しい模様や風になびく様子など、普段であれば見逃すようなところに新しい気付きを得られました。また音楽の抑揚に合わせて、サビに向かってより動きのあるカットを使うことで、登場人物が少なくてもとてもドラマチックな作品に仕上がってました。

◇西谷郁氏
高原にある一本の木に注目したというアイデアが興味深いです。その木はなぜそこにあるのか、いろんな角度から見てどうだったのか?出発点と着地点が見えないまま映像が終始しています。何か誰かの発見が欲しかったです。人に何かを伝えるために表現したいというシンプルな着想に共感しました。単なるドローン映像ではなく物語や芸術性まで引き出そうとしたアイデアが興味深いです。

作品名:Rediscover FUKUOKA City
制作者:堺浩輔
https://youtu.be/JyFTwecWa_g

<制作者コメント>
今回の作品について、表現したかったのは先進都市と自然がうまく調和している福岡市
市外や県外に出れば自然は溢れています。
しかし福岡市内にもこんなに美しいロケーションがあるのを知ってもらいたい。

近代的な建物と自然の美しさ。
ドローンを使って、見るアングルを変えればその美しさは更に感動的なものになります。
住みやすい都市、成長し続ける都市、福岡市。
生まれ育った愛する福岡市がより注目される都市となることを期待します。

<審査員コメント>
◇Ms.Gosia Petaux
Modern and well-paced film. The use of the drone is dynamic and highlights the dynamism of the city. The drone shows all aspects of Fukuoka and its many landscapes. We discover the extent of the city and the tasty mix of modernity and tradition. Pretty advertising.

◇山口千貴・真里子夫妻
海の画や、奥まで空が映された画を中心に、テンポの良いポップな曲を組み合わせることによって全体的に爽やかな仕上がりで、見ていて気持ちのよい作品でした。それぞれの画を文字で丁寧に説明しているのもわかりやすかったです。特に初めて来福する外国の方などに、福岡な魅力や見どころを伝えられる作品だと感じました。港から出航する豪華客船は圧巻で、別の角度からも見てみたいと思いました。

◇西谷郁氏
福岡の観光スポットが盛りだくさんに撮影されていて、福岡を知らない人にも福岡の隠れた魅力を知ってもらえる作品だと思います。もう一度福岡に来た人が2回3回と来てみたい、再発見した後に人がどうするのか?住みたくなるのか?特にお気に入りのスポットに絞って、そこに住み集う人の様子が撮影されているとさらによくなると思います。ダイナミックな高度の高いドローン映像が福岡の魅力を表現できていると思います。

<西谷氏による全体の総評>
私の専門は映画の編集の歴史を研究することです。映画が誕生したルーツは、動きが早すぎて人の肉眼で見ることが難しい、馬の足の動きを明らかにするため、連続写真の撮影装置が開発されました。人は新たな技術を開発することで、視野を広げ想像力を膨らませ魅了されてきたのです。人はこれまで見てきた体験から様々な既視感や記憶を蓄積していきます。どこかで見たような、あるいは、いつかは見てみたいという好奇心を喚起します。
 さて、今回のコンテストでは「隠れた」福岡の魅力や福岡を「再発見」するなどをテーマにした力作が揃いました。それはドローンが人に新たな既視感や想像力を喚起させるために非常に効果的で重要なテクノロジーだと感じました。
ではドローン映像を制作するとき、何を大切にすればいいのでしょう。私は人の既視感をうまく引き出すことにポイントがあると思います。まるで自分が空を飛び見てきたような、別世界へ旅行してきたような疑似体験をするように。つまり、今まで見たことのない景色や情景を初めて見て共感や感動を呼び起こすには、観客がドローンの視点に少し慣れる時間が必要ではないでしょうか。そのためには、まず人の目線を起点に導入部を編集するとスムーズに観客の既視感や記憶が引き出されやすいのではないでしょうか。ドローンの出発点と次の行き先や道標となるカットをいかに編集するのか、導入から展開までのストーリー展開をどうするのか、そこにこそ制作者の力量と作品の完成度が問われていると思います。私は今回その点に評価基準のポイントをおき審査させていただきました。

[審査員] 山口千貴・真理子夫妻

[審査員] Ms. Gosia Petaux (Bordeaux Technowest Secretary General)

[審査員] 西谷郁氏

pagetop